放送大学の科目登録にあたって、科目の難易度ランキング分析を活用して、確実な単位修得を目指しましょう。単位認定試験の過去問平均点の分析結果からランク付けした方法と解説となります。
受験者の本音としては、単位を取る上でどれが簡単で易しいおすすめ科目なのかが気になるところかと思います。一般的にはわざわざ学費を払って難しくハードルの高い科目に挑んでいくチャレンジャーな方は少ないはずです。
そこで、どの科目を選べば試験に合格しやすく楽勝なのかを過去の平均点データを分析して難易度ランキングリストにしてみましたので参考にしていただければと思います。口コミや評判が分からなくてもシラバスに公開されている過去のデータが客観的に語っています。
合格ラインに到達しやすいということは、人気科目とも考えられます。逆に不合格が多かったり難しかったりするということは、不人気科目とも考えられます。
対象科目は、過去問の単位認定試験の平均点がシラバスで公開されているテレビ番組やラジオ番組の放送授業となり、平均点が公開されていないオンライン授業や面接授業は含んでおりませんのでご注意下さい。
閉講後に同じ科目名(年度だけ異なる)で新規開設された科目は、過去の平均点データを引き継ぎます。また、新設科目にて、シラバスに特定の科目履修者は登録不可と記載がある場合も、その科目の過去の平均点データを引き継ぎます。以上の条件に当てはまらない場合は、完全新設科目として過去データなしで統計上扱いますのでご注意下さい。
そして、科目登録の目的以外にも、単位認定試験前の試験難易度を確認して、通信指導問題の解答や試験勉強の力の入れ具合(勉強時間など)や試験対策を立てる上でも役立てることができます。試験前の難易度確認は、翌学期のページをご確認下さい。試験平均点の公開タイミングが遅いため、科目登録時点では前々回試験結果から算出しています。
例:2022年1学期の場合の難易度参考ページ
・科目登録時のデータ:2022年1学期科目登録ランキング
・単位認定試験時のデータ:2022年2学期科目登録ランキング
単純に平均点が高ければよいというわけでなく、標準偏差のバラツキ含めて試験問題の難易度を評価する必要があります。
つまり、試験が易しく簡単で単位取得が楽な科目は平均点が高く、バラツキが小さいことが大切です。
各年度各学期の平均点(科目登録時点での公開はシラバスにて前々回試験まで)から標準偏差σ、平均点の平均μを算出し、次回の単位認定試験の平均点の範囲(最大最小)を予測します。
標準偏差は平均点のバラツキ、つまり試験問題難易度の安定性を意味します。
問題作成者(出題者)としては、狙いの平均点があり、前回の試験結果を踏まえて試行錯誤しながら試験問題を修正して次回にフィードバックしていると考えられます。つまり試験回数を重ねると、だんだん平均点は狙いの平均点に収束していくのが普通かと思います。
バラツキが大きいと、試験問題が手探り状態で毎回の平均点が不安定で大きく変動するのでリスクが高いと考えられます。特に新設科目は過去問もなく手探り状態なので避ける方が無難です。
一方でバラツキが小さいと、熟練した質の高い試験問題で狙った平均点を出せる安定性がありリスクが低くなると考えられます。例えば長年開講されていたり、閉講予定科目は年数を重ねた熟練の科目なので、平均点の安定性は高くなる傾向が高いです。
この標準偏差σ(バラツキ)から、次回の平均点がどの範囲内におさまるかが統計学的に予測可能となります。今回は過去問の平均点の平均点μから、最小値(μ-3σ)〜最大値(μ+3σ)の間にほぼ収まると考えられます。よって、最小値(μ-3σ)がテストの難易度を評価する一つな重要なポイントとなります。※あくまでも予想であって、絶対はありませんのであしからず。
イメージ図を示すと以下のようになります。バラツキの小さい英語事始めの範囲は狭く予測平均点が66~73点と安定しているのに対し、バラツキの大きいフランス語Tは予測平均点が41〜70点と不安定となります。
下記基準に従ってランクA〜Dに分類しています。ランクAがより単位取得の確実性の高い科目となります。前々回平均点と次回予測最小平均点でグラフ化した科目難易度マップにて4つの領域に分けられます。
・ランクA(がんがんいこうぜ):前々回試験の平均点70点以上かつ次回試験の予測最小平均点60点以上
…単位が楽に取れる可能性が高いので、ガンガン科目登録したい。イケイケドンドン。
・ランクB(ばっちりがんばれ):前々回試験の平均点70点以上かつ次回試験の予測最小平均点60点未満
…平均点は高いがバラツキ大きく油断は禁物なので、バッチリ準備できるなら科目登録したい。
・ランクC(じゅもんつかうな):前々回試験の平均点70点未満かつ次回試験の予測最小平均点60点以上
…安定的に適度に難しい科目なので、できれば呪文(勉強時間)を使わずに回避したいところ。それでも真剣に勉強する覚悟があるなら大丈夫。
・ランクD(いのちだいじに):前々回試験の平均点70点未満かつ次回試験の予測最小平均点60点未満
…平均点も低かったりバラツキが大きいので、いのち(時間と学費)の無駄遣いにならないよう注意。もしかすると次回劇的に簡単になる可能性も含んでいるギャンブラー向け科目。
最後に、200点満点のランキング指標(=前々回試験平均点+次回試験予測最小平均点)を算出してランキング順に並び替えています。放送大学のすすめサイトの独自ランキング指標です。
新設科目の場合は、リニューアル科目で過去の平均点データがあったとしても、直近の過去問の平均点データがないので計算上は0点扱いとして、ランクもランキング指標も低くなりますのでご注意下さい。リニューアルによる難易度の変化が読めないということと、データは新しいほど価値があるということです。
ちなみに、平均点データ分析は過去の取得できる年度学期から行っていますが、各年度のランキングリストは煩雑になるので表示上はデータを減らしています。よってそのままだと平均点や標準偏差の計算が合わないケースもあります。フルバージョンをご希望の場合はメルマガ特典にてコース毎の統合版難易度ランキングを提供しておりますのでご活用下さい。
また、必ずしもランク付けとランキングは一致しませんので予めご了承下さい。そもそも判断に使う計算式が異なりますので。概ねランクAからランキング順位が上位から並んで行って、B、C、Dと順に入れ替わっていく傾向はあります。
そして、ランク付けやランキング上位だからと言って、総合からガンガン科目登録すればよいかというと違います。普通は基盤科目(外国語科目の中でもレベル分けあり)・導入科目・専門科目・総合科目の順にピラミッド式に学ぶことが推奨されていますので、導入の基礎がないのにいきなり総合を取ると足元をすくわれかねません。すっ飛ばしても構いませんが、基盤・導入・専門・総合の関係性をよく理解した上で科目登録申請すると安心です。
さらに、各科目にはナンバリングと言って、基盤科目が100番台、導入科目が200番台、専門科目が300番台、総合科目が400番台と付けられて数字が難易度と共に順に上がっていきます。そして、各階層の中でも、初級(10)、中級(20)、上級(30)と分かれていますので、その点も理解と注意が必要です。例えば、導入科目の中でも、ナンバリングが初級の210番、中級の220番、上級の230番があるということです。
また、上位科目ほど難易度が上がるものの、その科目を受講する層のレベルもあがるのが一般的です。つまり、平均点が高いからと言って簡単だと鵜のみにせず、そもそも受講者層のレベル自体が全体的に高めの場合もあるということは注意しておく必要があります。例えば、とある資格の1級試験の平均点が2級より高いからと言って、1級の方が簡単かというとそんなことは当然ありません。2級をクリアしたレベルの猛者が1級に挑むのです。
一方で、シラバス記載から前提知識や履修前提科目がない科目の場合は、過去の平均点推移から難易度が低いと判断できれば、多少上の階層の科目登録をしても安パイとも言えるかもしれません。また、科目登録前にシラバスによる好き嫌いや得意不得意の印象だけでなく、過去問も眺めてみて、なんだか解けそう!?ちんぷんかんぷん!?面白そう!?つまらなさそう!?といった印象から最終判断するのも一つかと思います。
このランキングデータは、試験だけでなく、途中関門の通信指導問題の課題の解答と提出の難易度にも関連してくるとも言えます。
2024年第2学期科目難易度ランキング結果より、2022年第1学期以降のWeb試験平均点データのみから算出しております。【必見】放送大学全コース全科目試験平均点難易度推移分析まとめからも分かるように、従来の会場受験、自宅受験、新たなWeb受験とフェーズごとに平均データが大きく変動するため、より現状の試験難易度実態を表すWeb受験データのみからランキングデータをまとめた方がよいと判断したためです。
以上が放送大学科目別難易度ランキング分析の詳細解説となります。
本来は興味があったり仕事で必要な資格取得目的といった科目受講をおすすめしますが、一方で限られた時間で最小労力で単位を取得したり卒業したい場合は、上位ランクから科目登録すれば簡単で時間と学費の無駄がなくベターです。
この難易度ランキングのメリットとデメリットといった特徴をよくご理解した上でご活用ください。
注意点として、放送大学のシラバスに公開されている大量の過去問(単位認定試験)の科目平均点データを処理していますので、平均点や対象コース情報に一部間違いがある可能性もありますので、最終的には、ご自身で自己責任の元、公式の一次情報を確認の上、科目登録の決定をご判断の上、システムワカバ(wakaba)で科目申請して下さい。
単位取得計画の立て方と推定合格率含めた科目登録攻略法はこちら
それでは、よい科目登録を!